ホーム65周年記念研究大会>第2分科会 

 

創立65周年

「様々な課題を抱えた子どもへの生活指導・支援と保護者対応について
〜SSW、法的・危機管理視点からのアセスメント・プランニング・チーム対応 ・機関連携のポイント〜」 
第2分科会 

講師:弁護士  峯本 耕治


峯本氏は、課題を抱えた子どもへの指導や、保護者への対応は、SSW視点をもって行うことが重要であるとお話しされました。SSW視点の中身としては、子ども(保護者)に見られる課題は何が原因なのか、「見立て」をしっかり行うこと、ケース会議をもち、チームで対応作戦を立てること、そうすることで、関係機関と連携しやすくなるということでした。
<具体的な対応のポイント>
・課題を抱えた子どもの背景には、発達課題だけでなく愛着課題も同時に抱えていることがほとんどで、
その点を踏まえた対応をすることが大切。「先生はあなたのことが大好き、大切」ということを口に
出して言葉ではっきり伝え続ける。
・目の前で起こしている行動に振り回されず「家で何かあったの?」と聞く。
・愛着に課題のある子どもは、全ての行動が「試し」や「見て見て」からの行動である。子どもが落ち
着けないときには「出て行け」ではなく「落ち着いてから戻っておいで」と一旦クールダウンさせ、
後で良くなかった点を諭すこと。叱ったり厳しい指導が続くと子ども自身が「自分は嫌われている」と
捉えがちなので、叱る前には「あなたのことを心配している」「大切に思っている」ということを伝え
た上で話す。褒めるときには落ち着いてからしっかりほめる。
また、教師1人で問題を抱え込まずに、早い段階でチームで相談できる学校のシステム作りも必要とのことでした。その際、相談者の教師を非難したり責めたりしてはいけないということでした。

 学校に対し攻撃的な保護者も増えているが、そのような保護者対応についてもお話しくださいました。
<具体的な対応のポイント >
・保護者も「自分の子どもが大切にされていない感」や「保護者自身のことを分かってもらえていない感」
などの不安が強くなると攻撃的になる場合がある。その場合は不安を強めないような対応が必要。
・保護者自身も自信がなく孤独感を抱いている場合がある。その場合には保護者自身も困っている。
・保護者と繋がるチャレンジをする。
・「言葉はやさしく、メッセージは明確に」丁寧な伝え方をする。行動はそのメッセージの内容通りに。
・保護者と学校がぶつかってしまい、険悪な感じで話し終えてしまっても、次に会うときには学校側は
萎縮することなく何事もなかったように自然に接する。保護者に「自分の行動で相手の態度が変わる
ことはない」ということを伝えていくため。

 また危機管理の視点から「いじめ防止対策推進法及びいじめ防止基本方針」を一度は必ず見て、内容を知っておくことが必要とのことでした。

ホームにもどる