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中河内支部2005年度総会報告

   6月10日(金)、平成17年度大阪府養護教育研究会中河内支部総会及び記念講演会が、八尾市のプリズムホールにて行われました。支部長挨拶の後、議長選出、平成16年度事業報告、平成16年度収支決算報告、平成16年度会計監査報告、平成17年度支部役員選出経過報告と滞りなく議事進行し、旧役員 退任挨拶、新役員 就任挨拶、そして平成17年度事業計画案審議、平成17年度予算案審議と無事、すべての議事が終了しました。
 その後、「特別支援教育の方向性について」=自閉症の子供の理解・かかわり方=のテーマで、大阪府教育委員会障害教育課主任指導主事の今川 恵美子 先生の記念講演が行われました。以下に支部役員の聞き取りメモから、印象に残った一部を紹介します。
   私は、まだ教師を初めてばかりの時に、LDと思われる子供に出会いました。その子はなぜか国語の時間、教科書を開きませんでした。内容を全部丸暗記していて、一斉読みの時、みんなが止まってもその子は続けて読みました。そこで私は『ちゃんと読まなきゃだめでしょう。』と叱ってしまいました。また同じ子が5年生の時、その子は『算数の教科書が僕を苦しめる。』と言って教科書をビリビリに破ってしまいました。今ならもっとうまく対応できたのにと悔やまれますが、その頃はどうしたら良いか分からなかったのです。それが私が「特別支援教育」に出会った最初です。
   特殊教育から特別支援教育への移行にあたっては、平成13年1月『21世紀の特殊教育のあり方について』から始まり、通常学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症、アスペルガー症候群などに対する特別支援教育の推進が急速になされてきています。『高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、@他人との社会的関係の形成の困難さ、A言葉の発達の遅れ、B興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴と行動の障害である自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わないものを言う。また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。』『アスペルガー症候群とは、知的発達の遅れを伴わず、かつ、自閉症のうち言葉の発達の遅れを伴わないものである。』と定義されています。特別支援教育はこの子どもたちの自立や社会参加に向けて教育支援を行うことを基本的な考え方としています。将来を見通して幼稚園、小学校、中学校の連携が必要となってきます。また、スクールカウンセラーや校外の関係機関との連携も必要となってきます。
   不登校や虐待を受けている子どもに対すると同じように、学校全体として特別支援教育にあたらなければなりません。支援体制づくりとして、子どもの様子や保護者からの相談等で、子どものかかえる困難に気づいた時、校内で情報を共有し『支援』について検討する場や機会を組織的に設定しておくことが大切です。
(1)障害教育や人権教育、生徒指導等既存の組織や学校の取組みの特性を活用し、校内組織と年間計画に位置づける。
(2)学校には様々な支援を必要とする子どもがいる。『支援』についての共通理解を図ることからスタートする。

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