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ICT活用プロジェクト2004年度夏期講座F講座報告

実施日

17日(火)14:00〜17:00

講座名

作ってみよう 3Dスライドショー

講師

小林 整 氏(保護者)

内容

3Dスライドショー作成方法
1) ものを回転台に載せて、回しながらいろんな角度の写真を撮影
   ・ できるだけ露光が一定になるように
   ・ 枚数や回転台を回す角度は特にこだわらないで、適当でよい
2) 撮った写真を順番にパワーポイントのスライドに貼り付けていく
   ・ 同じ大きさ、同じ位置になるようにする。
   ・ 写真の名前を通し番号に変えておくと便利
   ・ スライドサイズを写真のサイズに合わせると作業が簡単
3) 「スライドショー」→「スライドショーの設定」→「Escキーを押すまで繰り返す」をチェック
4) スライドショーを開始し、矢印キーでスライドを送ると、物体が回転して見えます。

回転することにより、立体に認識されること
そのものだけが回転することにより、注目を促すこと
かおマウスだともっと滑らかで子どもたちが自由に行きつ戻りつしながら見れる

100円均一ショップで、回転代を見つけたという声も……

作品

実際に作った作品(PowerPointファイル:362KB)
アレンジ作品(お化けが動くPowerPointファイル:59KB)

報告と感想

PowerPointを使い、 デジカメ等から取り込んだ画像を編集し
平面画像を連続的に回転アニメーションさせて、立体を知覚させる実技講習

   小林さんの多彩なキャリアの中から、医療機器開発現場での経験を活かし教材化しました。脳の毛細血管や血流の様子を効果的に立体視して把握する技術の応用です。

   障害児が物体を、より現実味のあるものとして立体的にとらえ、また興味を持続集中して注目するためには、背景が動かずに、児童に知覚認識させたい具対物だけを、特別に抽出して立体的に回転させる方法が最も訴えやすいと考え、その方法論に立って、アニメーションムービークリップ作りに取り組みました。

   たとえば、小型のアコーディオンを、黒い回転盤の上に載せて、円周の16乃至20分割で回転させながら、少しずつずれているストップモーションの画像を、順を追って編集し、スライドショーを実行すれば、背景画像は全く動かずに、注目させたいアコーディオンのみが緩やかに回転して見えます。
   そうやって見せる連続画像を実物や写真カードと組み合わせることで、必然的に「言葉の説明」や「指差しの指示」等に頼ることなく、簡単に注視・注目させることが可能です。「アフォーダンス」や「ニッチ」といった、物自身がおのずから周囲の人間に向かって放つ情報認知特性を最大限引き出すことができます。

   さらに、強調したいことは、高価なビデオ編集プログラムソフトや高性能なデジタルビデオに頼ることなく、普通のウインドウズパソコンに備わっている、常駐のPower Pointと、安価なデジカメで、割と手軽にできてしまうということです。工夫次第で、普段使っているソフトの意外な活用法で、教材作りの幅を広げることができるという好例です。

   このような活用法を私達が思い付くには、やはり障害児ひとりひとりの認知の特性を丁寧に把握することが出発点になると考えます。
作り方の説明中

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